フィンランドにあるアアルトの自邸を訪れた時に見たこの椅子。
いずれ調べようと思っていたのですが。
昨年、フィンランド・ヘルシンキ郊外にあるThe Aalto Houseを訪ねた時の一枚。
ここでは、アアルトの自邸の中をスタッフの方に説明を受けながら見学する事ができます。
たっぷりとした緑を通してさんさんと降りそそぐ陽の光が気持ちよいリビング。
すみずみまで気の利いたモダンデザインの中で、リビングの中心、暖炉の近くにある、
そのネイビーの一人がけソファがちょっと不思議な存在感を放っていました。
多分、私がこの家の主だったとしてもここがいいなっていう場所
陽気なスタッフのおばさんがこの椅子を見ながら教えてくれました。
「この椅子は、アアルトが一番お気に入りだった椅子なんだけど、、
実はアアルトのデザインじゃないのよ」
おそらく何百回と言っている台詞なんだと思うけど、本当に不思議だよね、
面白いよねって感じでおばさんがにこにこしてたのが可愛かった。
このちょっともっさりした(失礼)椅子に座って、珈琲を飲んだり、本を読んだり、
お酒を飲んだり、うたた寝してたのかもと思うと、アアルトがぐっと近くに感じられる。
で、最近この写真を見た友達がこの椅子に興味を持っているという話を聞いて、
誰のデザインなんだろうね〜と話していたのだけど、
見学した時もそれは聞いてなかったし、なかなか情報がないんだよねとも
聞いたので、じゃあと思って、直接聞いてみました。
そしたら、20分もしない間に返信がきたのでびっくりした。
以下原文そのまま。
The chair in question is not designed by Aalto as you wrote.
Unfortunately it’s not possible to name the designer as the chair type is very common in Finland and in other countries too.
It’s kind of a traditional chair designed by no one especially. Aalto bought it in early 1920’s.In Finnish the chair type is called “laiskanlinna” which translated directly into English would mean
“lazy man’s castle” (“laiska” means lazy and “linna” means castle).If you use Google seach for images for “laiskanlinna” you’ll find a lot of these chairs more or less like the Aalto’s one (リンク貼ってます).Of course it’s kind of odd that a famous architect like Aalto liked this kind of a chair more than any modern designs.
つまり、この椅子のデザイナーは残念ながら分かっていないけれど、
フィンランドはもちろん他の国でもとてもよくある型のもので、
デザイナーが特に特定されているわけではない伝統的な椅子である事。
アアルトは1920年代初頭にこの椅子を買った事、
フィンランドでは、このタイプの椅子は「laiskanlinna」と呼ばれていて、
英訳すると「lazy man’s castle」→ 直訳すると怠け者のお城となるので、
ぐうたらチェアって感じかな。
「laiskanlinna」でイメージ検索するとアアルトの椅子以外にもたくさん
こういう型の椅子が見れるよ〜ってリンクまで貼ってくれてて、親切だわ。
みんな!アアルトハウスのスタッフさんは親切よ!
で、最後に、もちろんアアルトのような有名な建築家が他のモダンデザインより
こういう型の椅子を気に入ってたっていうのって不思議な感じしますねって。
ああ、もっとアアルトの事(aalto house 運営スタッフ含め)が好きになっちゃった!
Thanks Lauri !
The Aalto House
Riihitie 20, 00330 Helsinki
http://www.alvaraalto.fi/aaltohouse.htm